赤ちゃんの英語の教育と日本語への影響!言語の習得の仕組みとは?

子育てをしていくうえで、我が子に対して何か役立つものを身につけさせてあげたいと思う方も多いのではないでしょうか。

勉強系だと習字やそろばん、英語やプログラミングなど、運動系だと野球、サッカー、水泳、柔道等など。

あとは絵画や音楽なんかもありますね。

 

今回はそのなかでもニーズの高そうな英語につき、早期学習のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

目次

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赤ちゃんへの英語の教育について

赤ちゃんや幼児への英語教育に関しては世間的に賛否両論あるようです。

 

(賛成意見)

  • 英語に慣れ親しむことができる。
  • 英語に抵抗がなくなる。
  • 英語に耳が慣れるようになる。

(反対意見)

  • 英語よりも論理的思考力のほうが重要。まずは母語ありき。母語でできないことは英語でもできない。
  • 日本語の習得が遅れる。どちらの言語も習得できない「ダブルリミテッド」になるかもしれない

 

ただ、賛成意見にせよ、反対意見にせよ、ガッツリと子どもに英語を与える環境においての話です。

何がなんでも英語を習得させたい!と躍起にならず、もっと気楽に、日常生活の一部として取り入れてみる程度の話であれば、特に気にする必要はありません。

いくら頭の柔らかい赤ちゃんであっても、1日1時間程度、英語を聴かせたからといって読み書き聞き話すスキルが身につくわけではありませんので。

 

さて、赤ちゃんや幼児に対する英語教育では、単純に中学生や高校生が学校で習うような教材を読み聞かせすればよいというものではありません。

日本語でも「パパ」「ママ」といった赤ちゃん言葉があるように、英語にも赤ちゃん向けの言葉というものがあります。

ですので、ディズニー作品など、赤ちゃんの好奇心をくすぐるものを最優先に取り入れたほうがよいでしょう。

あるいは、英語絵本の読み聞かせもおすすめです。マザーグース絵本コレクションのような欧米の子どもなら誰でも知ってるお話を読み聞かせてあげるとよいでしょう。

 

ネイティブスピーカーが近くにたくさんいる、という環境でもなければ、英語はツールの一つとして、赤ちゃんの興味・関心を引き出してあげる使い方が賢いと思います。

赤ちゃんは英語と日本語がごちゃごちゃにならないか?

赤ちゃんの脳は真っ白で、いろんなことを見聞きするなかで必要な能力が強化され、不要な能力は縮退していくようにできています。

詳しいことは研究段階でよくわかっていませんが、少なくとも先に触れたように、1日1時間程度、英語を聴かせるくらいであればごちゃごちゃになるようなことはありません。(言い換えれば、英語も対して身につかない、ということになりますが)

単純に時間に比例するものでもないとは思いますが、英語に触れる時間と、日本語に触れる時間が半々の子どもは両方の習得が遅くなる、と考えられます。

ただ、最終的には、両方ある程度使えるようになってくるので、そこは良し悪しです。

両親の発する言葉に強く影響を受ける、といった研究成果もあるようです。

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赤ちゃんが言語を習得する仕組みとは?

テレビやラジオを見聞きしていると、

「聞き流すだけで英語が話せるようになります!」
「赤ちゃんは日本語を聞いているだけで話せるようになりますよね?それと同じです!」

とか、思わず「嘘つけ!」と言いたくなるような宣伝が流れてくることがあります。

宣伝なので、誇大表現は多少含まれているにせよ、冷静に考えれば、聞き流すだけで話せるようになるわけないことくらい、わかると思います。

もし本当に聞き流すだけで英語が話せるのならば、中学や高校でやってるような回りくどい教育は無意味になるのですから。

文部科学省もそこまで馬鹿ではないでしょう。

とすると、赤ちゃんの言語習得方法と、大人の言語習得方法は異なると考えるのが自然です。

 

そもそも、赤ちゃんは何故聞き流すだけで言語習得できているのでしょうか?

最近までの研究成果では、次のようなことがわかっているようです。

    • 赤ちゃんはとても音に敏感で、どんな言語でも習得できる。言語には固有の周波数帯があり、例えば日本語は125Hz〜1500Hz、イギリス英語は2000Hz〜12000Hz。ネイティブスピーカーが話しかけることで、特定の周波数帯の聞き取り能力が強化され、個々の言語特有の発音やイントネーションを聞き分けることができるようになっていく。
    • 音に反応するので、日本語アクセントの英語で話しかけてもあまり意味がない。
    • さらに、CD等でネイティブスピーカーの英語を聞かせても、音楽を聞かせるのと大差はなく、脳の発達にはあまり影響しない。英語を言語として認識させ、脳の発達に影響を及ぼすにはネイティブスピーカーが英語を話しているところを子どもに見せないといけない。
    • ビデオを見せればいいのか?と聞かれると疑問が残る。母親の話す言葉に強く反応するとも言われる。
    • 文法の習得について、ユニバーサル文法説(普遍文法説)という仮説がある。言語には共通するルールがあって、文法知識は予め脳内にインプットされている。赤ちゃんは環境に応じて、必要な言語の文法を引き出して強化する。

 

これらのことからわかるように、中学生や高校生にもなると、日本語に特化した脳ができあがっているため、そのほかの言語の音を聞きとることが難しくなります。

また、文法についても、日本語の文法に慣れ親しんでいるため、その他の言語の文法を習得するには骨が折れます。

 

では、いつまでに言語習得に関する脳の形成は終了するのでしょうか?

言語学者によると、母語以外の言語の習得能力は年齢を重ねるにつれて落ちていき、7歳くらいまでは赤ちゃんと遜色なく、10歳くらいまでに始めれば習得がスムーズになるとのことです。

赤ちゃんの頃から始める必要はないが、中学生では遅い、ということですね。

まとめ

言語の習得については、未だに謎が多いです。

脳の発達に関していえば、10歳くらいまでに英語教室などで生の英語に触れさせるのがよさそうです。

しかし、週に数時間程度触れさせたところで劇的に何かが変わるわけでもありません。

大事なのは、子どもの興味・関心を引き出してやること。言い換えれば、様々な経験をさせ、脳に様々な刺激を与えてやること。

英語が好きになれば、習得スピードは格段に上がります。必要に迫られなくても自発的に勉強するでしょう。

細かい理屈は抜きにして、まずは気楽に、子どもが楽しめるかたちで学ばせるのが一番ではないでしょうか。

 

 

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