節分といえば豆まき。
ですが、盛大にまいてしまうと後片付けが大変なので、うちでは各部屋に数粒ずつ
ポツリとまいては食べ、ポツリとまいては食べ、と地味〜なイベントです(笑)
でも子どもができたら、一度は盛大にやってみたいイベントでもあります。
今回はそんな豆まきをいろんな角度からみていきます。
目次
節分の豆まきの作法とは?
まずはそれなりに正しい作法について知っていきましょう。
1,福豆(節分用の炒った大豆)を用意する。
「なぜ大豆なのか?」「なぜ炒る必要があるのか?」は以下の記事で詳しく紹介しています。
簡単にいえば、大豆は穀霊が宿るとされる五穀(稲・麦・粟・大豆・小豆)のなかで最もサイズが大きく、鬼の目に投げつけるのに最適であり、炒ることで追い出したはずの悪いものの芽(大豆の芽)が出ることを防げる。更に「炒る」と「射る」、「豆」と「魔目、魔滅」をかけているとのこと。
私はあまり料理しない人間なので、スーパーで節分用の袋入の福豆を買っちゃうんですが、正しい作法は一味違います。きちんと大豆を買ってきて炒ります。そのほうがご利益もありそうですしね(笑)
でも、大豆って聞くと袋に入った水煮が思い浮かぶのは私だけなんでしょうか。。あれを炒めて果たしてカリカリになるのか・・・と思っていたら、乾燥大豆なるものがあるんですね!
乾燥大豆を布巾でつつみ、熱湯で30分〜1時間程度戻してから、フライパンに投入!最初は強火で揺すりながら、パチパチと音がしてきたら弱火で15分〜20分程度炒ると完成。柔らかめが好みだったら熱湯で戻す時間を長くすればOK。手間はかかりますが、節分シーズン以外でも作り置きで食べられるってのはいいですね。
2,枡または三方(神様へのお供えもの用の器)に福豆を入れて神棚に供える。
神棚がない家のほうが多いと思います。その場合は目線よりも高いところに白い紙を敷いてお供えしましょう。気分的に習字用の半紙や和紙だとSo Good!タンスや食器棚の上を綺麗にして置くのがおすすめです。因みにこれは神社でもらった御札のお供えの仕方と同じです。御札の場合は、東向きあるいは南向きになるように安置します。
3,夜になったら始める。
鬼は真夜中にやってきます。また、闇は清浄なるものという考えから、神事は闇夜で行うしきたりがあります。
出来れば家族揃って遅い時間に行いましょう。鬼は一人では倒せないかもしれません。皆で協力することが大切です。家族が揃っていない時に「鬼は外!」とやると、家にいない人は鬼にされてしまうと考える地域もあるようです。
4,鬼は誰がやる?
鬼というのは目に見えない悪いもののことです(参照:節分の由来と鬼について)。鬼は人の心に住み着いているので、本来鬼役は必要ありません。自身の煩悩を閉め出すように豆をまきます。
5,豆は誰がまく?
豆をまくのは家長の仕事です。多くの場合は父親でしょう。縁起の良い年男や年女、反対に厄年の人が豆まきをする場合もあります。
6,豆を入れた枡を胸より上の高さで構える。
神様に敬意を払う心で、出来るだけ高い位置に掲げます。目下に扱ってはいけません。
7,「鬼は外!福は内!」の掛け声とともに、家の奥から順に豆をまく。
家の窓や玄関を開けておき「鬼は外!」と唱えながら、家の奥から順に豆をまいていきます。豆をまきおわった窓はすぐに閉めていきます。最後に玄関から一際力強く豆をまき、家中の窓や玄関が閉め切られたあとに、「福は内!」と唱えながら順番に部屋のなかにまいていきます。まき方は豊作祈願で種を蒔くように下手投げ。それで鬼逃げるんかい!ってツッコミはなしで(笑)
まく順番やまく回数は地域によって違うみたいですが、掃除のことを考えると「鬼は外!」は思いっきり、「福は内!」は軽くやるのがいいかもです^^
あと、気持ちの問題ですが、鬼門(北東)と裏鬼門(南西)方向に「鬼は外!」できる場合は重点的にやっておくのもいいかもしれません。鬼は鬼門からやってくると言われてますので。
最後に近所迷惑にならないようにはしてくださいね。人の家に豆が飛び込むとか、マンションで頭の上から豆が降ってくるとか、掛け声と豆が散らばる音で眠れないとかww
8,豆を食す!
福豆は鬼を倒す力の宿った豆です。体内の鬼を最後に追い出していきましょう。「福は内!」で家の中にまいた豆を年齢+1粒を目安に食べます。なぜ、+1粒かというと、節分は旧暦の大晦日に当たるため、新年分の健康や家内安全を願う意味があります。ただ、年齢を満年齢とみなすか、数え年とみなすかは地域によって違いがありますし、+1粒食べない地域もあります。
あるいは福豆を直接食べずに、福茶を飲む方法もあります。福茶は本来新年に初めて汲んだ水で点てるお茶のことですが、新暦になって節分は2月になりました。節分での福茶のつくり方は、湯呑に福豆3粒、塩昆布適量、梅干1粒を入れ、熱湯(緑茶でも可)を注ぐだけです。これを飲むだけで、福豆を年齢+1粒食べたのと同じ効果が得られます。
う〜む。。。こうしてみるとなかなか面倒ですし、子どもと楽しむイベントには向きませんね!笑
ただ、本当に厄除け目的で行うのであれば、これくらいはやったほうがいいかもしれません。一軒家であれば、節分に鬼門方向に柊を植えるのも効果的です。
節分の鬼は父親がやる?
さて、節分を子どもと楽しむのであれば、やはり鬼役は欠かせません。
鬼は誰がやるんでしょうか?考え方は3つです。
1,やはりここは父の出番!
嫌われ者役をするのはお父さんしかいないと意気込む方もいれば、子どもを脅かすのが楽しいから鬼がいいと両手を挙げる方もいるでしょう。お母さんを人質に取り、子どもの勇気を引き出すのもお父さんの演技次第です。
2,嫁しかいないでしょ!鬼嫁だけに!笑
こわ~い奥さんにピッタリの役です。般若のお面とか、おたふくのお面とか雰囲気が出て良いですね。いまこそ父の威厳を子どもに示す時です!
3,祖父母や近所の人に頼む。
父の威厳を示すことはもちろん、父母が協力して鬼退治するという連携プレーを見せることもできます。近所のご家族と仲良しであれば、合同でわいわい楽しんだり、互助関係で鬼役をする・してもらうというのもいいですね。
(番外編)あえて子どもにやらせる。
いじめられる鬼の気持ちを理解させるにはよいかもしれません。
本来は家長である(多くの場合は)父親が豆をまくものですが、子どもの教育を考えるなら、目的をもって鬼役・豆まき役を決めたほうが良いと思います。
父親が子どもを守ることで、その強さや逞しさを実感し、父親のそばにいると怖い目に合っても落ち着くという科学的なデータもあります。まさに休みの日にしか時間の取れない父子の絆を深めるにうってつけです。
また、なかなか言うことを聞かない子どもに対し、怖い思いをさせ「鬼が来るよ〜」と脅すことで、言うことを聞かせるテクニックが使えるようになります。あまり怖い思いをさせると、鬼はいないとわかる年齢になるまでトラウマになってしまうので、鬼役は一度追い出されたらしつこく戻ってきたりしないようにしましょう(笑)
一番のおすすめはやはり誰か他の人に鬼役を頼むことです。親子3人の絆を一挙に深めることができるでしょう。
その流れのなかで子どもの勇気を引き出してみたり、鬼役が逃げたあとに「あの鬼はなんで来たんだろう?本当に悪いことをしようとしてたのかな〜?」と一緒に考えたりしながら友達にいやなことをしないよう訴えかけたりと、わかりやすく子どもに様々な体感をさせることのできるイベントに昇華します。
逆に、鬼は怖いものじゃないよ、見た目で決め付けちゃいけないよ、仲良くしようねと教えてみたり、あえて身バレすることでお父さんは鬼に変身するんだ!と勘違いさせてみたり、戦隊ヒーロー張りに変身して鬼を倒すことでお父さんはヒーローなんだと錯覚させてみたり、様々なバリエーションをつくることができます。
節分の鬼の演技はどこまで本気になるか?
問題は鬼役がどこまで本気の演技をするかです。
子どもの性格をよく考えて、どの程度なら大丈夫か日頃から見極めておく必要があります。
下手をすると、保育園の節分イベント等に参加したがらなくなったり、赤いものを見るだけで泣き止まなくなったり、チック症になったりする可能性もあります。
かと言って、初めからバレバレになってしまうような変装では、子どもに威厳を示したり躾をすることはできません。なにより子どもを脅かして楽しむこともできません!
少しリアルなお面や、赤いスーツ、寅柄パンツや金棒をドンキや楽天で揃え、照明を落としてなまはげ等のBGMを流すことで雰囲気づくりすれば完璧です。
鬼嫁設定であれば、般若のお面で包丁や鉈(危ないのでニセモノで!)を持てば鬼より怖いです。。おたふくのお面で、小刻みに前後に動いたりするのも中々に不気味です。
セリフは悪役らしく、「ガッハッハー!」と笑ってみたり、「悪りぃごはいねぇーが!!」と言ってみたり、いくつか口上や決め台詞を考えておくとよいでしょう。
少し大きくなって鬼になれてくるようなら、リアル度を増して、セリフも「好き嫌いをする悪い子はお前か!ピーマン食わなきゃ連れて行くぞ!」と普段やらないことをするように仕向けるのも有効です。
楽しむ、怖がらせる、安心させる。このバランスを考えて、演技できればベターです。
節分の楽しみ方はいろいろ
地味だと思っていた節分も、考えれば考えるほど味わい深い行事になります。
大豆も噛めば噛むほど味が出て、かつ栄養豊富。子どもの日頃のおやつを大豆にするのもいいかもしれません(笑)